エジプトへの逃避(読み)エジプトへのとうひ(その他表記)Flight into Egypt

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エジプトへの逃避」の意味・わかりやすい解説

エジプトへの逃避
エジプトへのとうひ
Flight into Egypt

キリスト教美術の主題。『マタイによる福音書』2章 13~23によれば,イエス・キリスト降誕後,養父ヨセフは,夢に天使の告知を受け,ヘロデ王の嬰児虐殺のたくらみを避けてマリアとともにエジプトに逃れ,しばらくとどまったのちナザレに帰った。外典福音書やさまざまの伝承がこの出来事に多数の幻想的な物語をつけ加え,多くの美術作品に表わされた。幼児イエスを抱くマリアが子馬に乗り,袋と杖を持つヨセフが従うという旅の場面が最も一般的であるが,そのほか,しゅろの奇跡,途上での休憩,非キリスト教神像の墜落,エジプトからの帰還などの場面が描かれた。作品例はジョットによるパドバのスクロベーニ礼拝堂壁画 (1305頃) ,M.カラバッジオによるローマのドリア・パンフィリ美術館所蔵のもの (1595/6) など。

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