エスニック・アイデンティティ(その他表記)ethnic identity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

エスニック・アイデンティティ
ethnic identity

人類学用語。民族集団への帰属意識,同類意識のこと。エスニシティを集団成員の主観的側面からとらえようとする概念で,エスニシティ研究の中心課題の一つ。文化的同化をこえて存続し,伝統文化の有無とは必ずしも関係しない。民族集団の成員は,集団の内部で自集団に対する「原初的愛着」を育成し,民族集団間の相互作用に基づいて,自集団の内側から他集団を区別する境界,エスニック・バウンダリー (境界) を形成する。これは空間的な境界領域ではなく意識的なものであり,民族集団の成員は多様な社会の状況に応じて,任意にかつ選択的に自己の同一化をはかるといえる。したがってエスニック・アイデンティティを考察する場合,歴史的背景や地域性,政治的状況を考慮に入れることが必要である。

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