ある存在が他の意識的存在を自己と同類と認める意識状態をいう。アメリカの社会学者ギディングスによって、社会の起源的、基本的な主観的事実とされ、有名になった用語。彼によれば、同類意識は、社会現象と非社会現象とを区別する意識であり、また社会的行為の原因とされる意識である。さらに、それは感動や模倣を通じて形成される意識であって、契約や連合を生み出し、いわば社会的結合の本質をなすものである。彼はこの同類意識と結合との作用の仕方から、社会現象の次のような四段階を指摘する。〔1〕集合と結社、〔2〕社会的精神の進化、〔3〕社会生成、〔4〕社会組成である。このうちの、社会生成social compositionとは、社会有機体として独立に生活している集団が、より大きな集団に結合することを意味し、社会組成social constitutionとは、社会集団の相互依存的階級または団体への分化を意味する。彼はのちに、同類意識説に修正を加え、同一刺激に対する集合的反応である複数行動をもって社会の本質を説明しようとするに至る。
[佐藤 毅]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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