エチオナミド(読み)えちおなみど(その他表記)ethionamide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エチオナミド」の意味・わかりやすい解説

エチオナミド
えちおなみど
ethionamide

抗結核薬。抗結核菌作用はイソニアジドよりも弱いが、イソニアジド耐性菌に有効である。副作用としては食欲不振、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)などの胃障害が主で、重大なものとして、劇症肝炎急性肝炎など重篤な肝障害が現れることがある。1日0.3グラムから始めて漸増し、0.5~0.7グラムを1~3回に分服する。なお、坐薬(ざやく)もあったが、やはり副作用として胃障害がみられた。

[幸保文治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のエチオナミドの言及

【肺結核】より

…日本ではこの三つの薬の長期間(2年以上)併用が標準化学療法として行われ,肺切除術の安全性も非常に高まったため,かつて〈気胸と成形〉を主とした肺結核治療は,〈化学療法と肺切除〉を主とした様相を呈するに至り,結核死亡率は著しい減少を示した。その後ピラジナミド,エチオナミド,カナマイシン,エタンブトールなどが相次いで開発され,これに続いて66年,イソニアジドと同等の殺菌力をもったリファンピシンが登場した。このリファンピシンの登場は,これまでの化学療法の限界を打破するきっかけとなった。…

※「エチオナミド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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