悪心(読み)あくしん

精選版 日本国語大辞典「悪心」の解説

あく‐しん【悪心】

〘名〙
悪事をしようとする心。他人に害を与えようとする心。また、人をのろう心。悪念。⇔善心①。
※大鏡(12C前)三「悪心おこしてうせ給ひにしありさまは、いとあさましかりしことぞかし」 〔国語‐魯語・下〕
② 仏道に進むのをさまたげる心。⇔善心②。
※平家(13C前)一〇「身をたすからんと思ふ悪心のみ遮(さへぎり)て、善心はかって発(おこ)らず」
③ 胸が気持わるくなること。
※病論俗解集(1639)「悪心(アクシン) 心中兀々然、無奈。欲吐不吐、欲呕不呕。此為悪心。むねあしく」

お‐しん ヲ‥【悪心】

〘名〙 気持が悪くなって、吐き気を催しそうになる感じ。〔和爾雅(1688)〕
※駿台雑話(1732)一「嘲笑(あざけりわらう)て頭痛すといふもあり。悪心(ヲシン)すといふものありと」

わる‐ごころ【悪心】

※評判記・吉原呼子鳥(1668)ゑもん「わる心といふ事は、はつか鼠のあと足にてつかみたる程もなし」

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百科事典マイペディア「悪心」の解説

悪心【おしん】

吐き気。ほとんど嘔吐(おうと)と同じ原因で起こるが,嘔吐に先だつことが多い上腹部の不快感。脳圧亢進時は,悪心を伴わない嘔吐のみの場合も多い。
→関連項目ニコチン中毒

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デジタル大辞泉「悪心」の解説

あく‐しん【悪心】

恨みを抱き、悪事をしようとするよこしまな心。

お‐しん〔ヲ‐〕【悪心】

気持ちが悪くて、吐きそうな感じ。吐き気。

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世界大百科事典 第2版「悪心」の解説

おしん【悪心 nausea】

吐き気,嘔気ともいい,今にも嘔吐しそうな不快な感覚をいう。嘔吐に先行することが多い。悪心・嘔吐は嘔吐中枢を刺激されることによってひきおこされる。とくに悪心は,嘔吐反射発生の閾(いき)値に達しない程度の弱い刺激によって発生するものと考えられている。延髄の求心性迷走神経背側核付近にある嘔吐中枢を直接刺激しておこる場合と,第四脳室にある化学受容体が刺激され,それが嘔吐中枢に伝えられておこる場合とがある。胃腸の過度の拡張(イレウスなど消化管の通過障害),腹膜の刺激(腹膜炎),尿路系の拡張(尿路結石),胃腸炎などの腹部臓器疾患,頭蓋内圧亢進(脳腫瘍,脳卒中髄膜炎),迷路刺激(メニエール病乗物酔い),モルヒネ,アポモルフィン,ジギタリス,アルコール等の薬剤や代謝毒素(ブドウ球菌毒素,尿毒症,妊娠悪阻,肝障害)などによる刺激,視・嗅(きゆう)・味覚領域の刺激,心因性等を原因として発生する。

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世界大百科事典内の悪心の言及

【嘔吐】より

…一種の毒物に対する防御反応で,嘔吐に際しては吐き気を伴う。
[吐き気と嘔吐のしくみ]
 吐き気nauseaは悪心ともいい,舌根,咽頭,むなもとに感じる特有の不快感で,〈むかつく〉とも表現され,同時に唾液分泌の増加(なまつば),冷汗,顔面蒼白,脈拍数の増加が起こる。呼吸は深く,速く,不規則になる。…

【嘔吐】より

…一種の毒物に対する防御反応で,嘔吐に際しては吐き気を伴う。
[吐き気と嘔吐のしくみ]
 吐き気nauseaは悪心ともいい,舌根,咽頭,むなもとに感じる特有の不快感で,〈むかつく〉とも表現され,同時に唾液分泌の増加(なまつば),冷汗,顔面蒼白,脈拍数の増加が起こる。呼吸は深く,速く,不規則になる。…

※「悪心」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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