ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エビオン派福音書」の意味・わかりやすい解説 エビオン派福音書エビオンはふくいんしょGospel of the Ebionites 偽福音書の1つで,初期キリスト教の異端であるエビオン派によって用いられた。エピファニオスがエビオン派について,彼らは『マタイによる福音書』を受入れて,これを『へブル人福音書』と呼んだ,と述べているところから,いわゆる『ヘブル人福音書』としばしば同一視されてきたが,現在は異なるとする意見が強い。断片からの推定によれば,その内容は,共観福音書の素材を混合し,伝説的粉飾を加えたもので,ギリシア語で書かれ,エビオン派の根拠地ヨルダン東岸の地方において2世紀に成立したらしい。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by