エビオン派(読み)エビオンは(その他表記)Ebionites

改訂新版 世界大百科事典 「エビオン派」の意味・わかりやすい解説

エビオン派 (エビオンは)
Ebionites

初期ユダヤ人キリスト教徒の一派エルサレムの原始キリスト教団が紀元70年のエルサレム滅亡直前にヨルダン川東岸へ脱出し,以後教会史の主流を外れてその地に成立したもの。その呼称はエルサレム原始教団の自己表示〈貧しい者たち〉(《ローマ人への手紙》15:26など)にさかのぼるとされる。イエス処女降誕を拒否し,正典福音書を改竄(かいざん)するなど独特の教義祭儀を形成し,やがてシリア,パレスティナのグノーシス主義的洗礼運動の中へ解消していった。
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関連語 大貫

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エビオン派」の意味・わかりやすい解説

エビオン派
エビオンは
Ebionites

禁欲的な初代キリスト教徒の一派。名称はヘブライ語の evyonium (貧しい者) に由来エイレナイオスによれば,彼らは造物主としての神のみを信じ,イエスの神性を否定処女懐胎を認めず,イエスはヨゼフとマリアの子であり,律法成就によってキリストとなったとする。加えてパウロを律法にそむく者として退けたため異端視された。彼らは独自の『エビオン派福音書』を用いたといわれている。 70年のエルサレム陥落後に起り,ヨルダン川東岸で発展,一部はグノーシス主義 (→グノーシス派 ) を受入れた。

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