エンパイア・シルエットempire silhouetteともいう。フランス帝政時代におけるナポレオン1世治下の第一帝政時代(1804~14)に主流をなした、シルエットを取り入れた婦人服の形のこと。その特徴は胸の下で切り替えた円筒形の直線的なシルエット。袖(そで)はほっそりしたタイト・スリーブに、小さなパフ・スリーブが重ねられることが多かった。フランス革命後、芸術一般が以前の宮廷様式への反動として単純、簡素で、自然な美しさを求める雰囲気にあり、服飾も古典的ギリシアのキトンを模した試みなどのなかからこの時代独自の様式を生み出した。それがのちのち現代に至るまで婦人服のデザインの一つの原点になっている。
[菅生ふさ代]
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