大学事典 「オウエンズ」の解説
オウエンズ
John
イギリスの実業家。オウエンズ・カレッジ(イギリス)(ヴィクトリア大学の構成校,マンチェスター大学の前身)の創設者。マンチェスター生まれ。父は帽子の裏張り職人。私営の学校で教育を受ける。1817年に父とパートナーシップを組み,以後事業を急拡大し,木綿の買付けや鉄道への投資も行った。幼いころから教育に興味を持ち,信教や社会的身分などによる大学教育への制限に反対していた。彼は,人生の終わりに向けて学友のフォークナーに遺産を託そうとした。しかし,フォークナーはオウエンズ自身の考えを反映したカレッジをつくるほうがよいと進言。1846年7月29日,オウエンズが死亡。彼の遺言により,親族等への遺贈分の残りが「マンチェスターの地に,現在および将来イングランドの大学で教えられるような学問と科学を若い男性に教育し,彼らを向上させる教育機関を創設するために」使用されることになった。これにより1851年,オウエンズ・カレッジが開学した。
著者: 福石賢一
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報