オセロ症候群(読み)おせろしょうこうぐん(その他表記)Othello Syndrome

知恵蔵mini 「オセロ症候群」の解説

オセロ症候群

配偶者や恋人などに過剰な嫉妬妄想を抱く妄想性障害の一種病名はイギリスの劇作家シェークスピアの戯曲で、貞淑な妻の不貞を疑った軍人オセロ悲劇を描く『オセロ』に由来する。パートナーと異性との些細な関わりにも激しく嫉妬する、確かな証拠もなくパートナーの浮気を疑い続ける、といった症状を特徴とする。スマートフォンの履歴や持ち物をチェックしたり、1日に何度も連絡を強要したりするなど、常にパートナーの行動を把握し、束縛しようとする問題行動も見られる。結果、社会生活や人間関係に支障をきたすケースもある。原因は「パートナーに見捨てられるかもしれない」という強い猜疑心や不安感にあると考えられ、幼少期の家庭環境や過去の人間関係が背景となっていることも少なくない。その他、統合失調症うつ病、アルコール依存症、パーソナリティ障害などに起因している場合もあり、精神科や心療内科での適切な治療が必要となる。

(2017-4-25)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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