日本大百科全書(ニッポニカ) の解説 オトフリート・フォン・ワイセンブルクおとふりーとふぉんわいせんぶるくOtfrid von Weißenburg(800?―870) ドイツの詩人。古高ドイツ語で福音(ふくいん)書を書き、ルードウィヒ敬虔(けいけん)王(778~840)に捧(ささ)げた。この書は、主として「ヨハネ伝福音書」に基づき、イエスの誕生から死、復活、最後の審判を扱い、とくにイエスの昇天の箇所が詩的に優れている。啓蒙(けいもう)書のため教訓や反省が織り込まれているのが特色である。ラテン語の賛美歌に倣い、脚韻を初めて導入した点、ドイツ韻律法にとって貴重な記録である。[谷口幸男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例