ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オナガサイシン」の意味・わかりやすい解説 オナガサイシン(尾長細辛)オナガサイシンAsarum leptophyllum ウマノスズクサ科の常緑多年草。沖縄本島の嘉津宇岳と台湾中北部の山地林床に生育し,カツウダケカンアオイともいう。茎は短く地に伏し,早春,先端より長い柄をもつ2枚の葉を向い合うように展開する。葉は卵状三角形,表面は深緑色で光沢があり毛が少いが,裏面は淡緑色で葉柄とともに長い毛を密生する。花は3月頃開花し,花弁は退化するが,ときに小さな角状の突起として痕跡を残す。萼片は下半部で互いに接して径約 1cmの筒をつくり,上部は細長く伸びて尾状になる。花筒内には,合着のすすんだ花柱と,葯 (やく) より長い花糸をもつ 12本のおしべがみられる。中国大陸には同属の近縁種 A.caudigerumが分布する。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by