オビンブンドゥ族(読み)オビンブンドゥぞく(英語表記)Ovimbundu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オビンブンドゥ族」の意味・わかりやすい解説

オビンブンドゥ族
オビンブンドゥぞく
Ovimbundu

アフリカ南西部,アンゴラのベンゲラ高地に住む一民族。言語はバンツー諸語に属し,人口約 400万と推定される。17世紀に有力な一派がこの高地に侵入し,先住の牧畜民を征服して混血した。22の首長国に分かれ,約半分は 20世紀のポルトガルの占領前までは一つの大きな首長国に属していた。各首長国には首長と議会と複数の副首長があった。一夫多妻婚で,親族組織は二重出自をとり,土地は父系,動産は母系をたどって相続される。イニシエーション儀礼を受けるための教育は特定の家族の子女にのみ行なわれる。農業が主要経済活動で,おもにトウモロコシやマメ類を栽培する。狩猟も行なわれその専門家もいる。ウシ,ヒツジ,ヤギなどの家畜飼育も行なわれ,ウシは富の尺度とされる。蜜ろうは重要な交易品である。かつてはコンゴ川とグレート湖地方とカラハリ砂漠に囲まれた地方で盛んに交易を行なっていた。交易協定が各地区に結ばれ,金属細工やとうもろこし粉の製造など地方特有の製品が発達した。しかし広範囲の交易は,ヨーロッパ商人の登場,奴隷貿易の禁止,1904年のベンゲラ鉄道の建設などによって衰退した。

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世界大百科事典(旧版)内のオビンブンドゥ族の言及

【アンゴラ】より

…アンゴラには100以上の部族が居住するといわれるが,オビンブンドゥ,ムブンドゥ(キンブンドゥ),コンゴ,チョクウェ,ヌガンゲラ,ニャネカ,フンベ,ヘレロ,アンボなどの諸部族が有力である。なかでも中・南部のオビンブンドゥ族,北西部のムブンドゥ族,北部のコンゴ族の3部族は全人口のそれぞれ35%,20%,10%を占めるといわれている。コンゴ族,ムブンドゥ族はかつてそれぞれコンゴ王国,ヌドンゴ王国を形成していた。…

※「オビンブンドゥ族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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