改訂新版 世界大百科事典 「オラデヤ」の意味・わかりやすい解説
オラデヤ
Oradea
ルーマニア北西部,ハンガリーとの国境近辺に展開するルーマニア西部平原の北部を流れるクリシュ・レペデ川沿いにある。ビホル県の県都。ハンガリー語ではナジバラド。人口20万6463(2005)。標高185m,年平均気温10.5℃,平均年降水量623mm。鉄道や航空の要地で商工業が発達する。工作機械,アルミ精錬,医薬品,繊維,皮革,食品,家具などの工業がある。周辺のクリシュ地方は農業地帯で,穀物やブドウが栽培される。また教育や文化活動が盛んで,高等師範学校,国立劇場,人形劇場,交響楽団などがある。ハンガリー人も多数居住する。郊外にはバイレ・フェリクス,バイレ・ウヌ・マイなどの保養地がある。石器時代の遺跡や12世紀のオラデヤ要塞がある。タタールの破壊などをこうむるが,13世紀以後,クリシュ地方の政治・経済・文化の中心地として発展した。代表的な建築物としては18世紀のカトリック教会やバロック様式のクリシュ地方博物館がある。
執筆者:佐々田 誠之助
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報