ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オルレー」の意味・わかりやすい解説
オルレー
Orley, Bernaert (Bernard) van
[没]1542. ブリュッセル
フランドルの画家。画家であった父のもとで修業後,ヤン・マビューズなどのイタリア絵画の影響下に,明確な輪郭線,遠近法的構図,豊富な建築装飾による背景などを特色とする宗教画,歴史画,肖像画を制作した。1518年以来ネーデルラント総督のマルガレーテ・フォン・エステルライヒの宮廷の画家。ミケランジェロ風の様式で描かれた『忍耐』(16世紀,ベルギー王立美術館)は,この時期の作品である。タペストリー下絵の制作も多く,ラファエロによる『キリスト伝』のタペストリー制作の監督,ステンドグラスの下絵制作も行なった。マルガレーテの没後,ハンガリーの宮廷に仕え,多くのタペストリー制作を指導した。
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