オーストラリア労働党(読み)オーストラリアろうどうとう(その他表記)Australian Labor Party

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーストラリア労働党」の意味・わかりやすい解説

オーストラリア労働党
オーストラリアろうどうとう
Australian Labor Party

オーストラリア最古政党。1891年創立。労働組合をおもな基盤として社会主義の漸進的発展を目指し,すべての国民に同等の機会を与えることを中心目標として掲げている。 20世紀初頭から第2次世界大戦後まで数次にわたり政権を担当したが,1949年に自由党と地方党の保守連合に敗れ,以後 23年間野党の地位にとどまった。1972年12月の総選挙で保守連合を破り政権についたガフ・ホイットラム首相は教育の改善,健康保険制度の導入,先住民の権利を平等化するなどの革新的政策を進めたが,財政資金の運用をめぐるスキャンダルで政治危機に陥り,1975年12月の総選挙で第一党の座を失い,下野。しかし 1983年に政権を奪回し,ロバート・ホーク首相が 8年9ヵ月の間政権を担当した。1993年には後任の首相にポール・キーティングが就任し,同 1993年3月の総選挙でも勝利し 5期連続して労働党政権を維持した。キーティング政権は雇用問題に積極的に取り組んだが,1996年3月の総選挙で保守連合に敗れ,1998年10月の総選挙でも議席数を伸ばしながら政権は奪えなかった。

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