アメリカの社会思想家、政治哲学者。シカゴ生まれ。プリンストン大学、オックスフォード大学に学び、ニューヨーク大学教授(1932~1953)を経て、1955年以降『ナショナル・レビュー』National Review誌の編集者。30歳代前半は熱烈なトロツキストとして活躍したが、その後マルクス主義から離れ、リベラルな反共主義者となった。彼の立場は主著『経営者革命』The Managerial Revolution(1941)によく表れている。彼は同書で、マルクス主義者が主張する資本主義から社会主義への歴史的必然性を否定し、経済体制のいかんにかかわらずテクノクラートが支配する社会が到来するであろうと説いた。こうした立場は、「第三の社会体制」論とよばれたが、ソ連の崩壊、冷戦の終結によって、結果的にその主張の正しさが立証された形になった。
[原直樹]
『武山泰雄訳『経営者革命』(1965・東洋経済新報社)』
アメリカの政治・経済評論家。シカゴに生まれ,プリンストン大学とオックスフォード大学を卒業後,1932-54年ニューヨーク大学の哲学教授を務めた。1930年代トロツキズムに共鳴して運動に参加したが,40年に絶縁。41年に著した《経営者革命》においてバーナムが〈経営者革命managerial revolution〉の語を用いて主張したことは,資本主義的社会形態の衰退にとって代わるものは,決してマルクス主義的社会主義ではなく,〈経営者社会manegerial society〉だとするものである。そしてそれは急激な移行によるものではなく長期的な移り変りであるとした。彼は経営者を,四つの異なった機能を担当する集団を識別することによって規定した。それによれば四つの集団とは,株主,金融家,取締役,経営者のことをいい,そのなかの経営者のみが生産過程に不可欠であるとしており,その点で,経営者の他集団に対する優位性を強調した。バーナムによる社会の一般的傾向の分析は,それがどの程度まで現実に立証されるのか,ということに関心が寄せられることになったが,現実は彼の意見を肯定も否定もしているようである。
執筆者:辻村 宏和
アメリカの建築家,都市計画家。ヘンダーソン生れ。ジェニーの助手を経て,1873年シカゴにルートJohn Wellborn Root(1850-91)と共同事務所を構え,同市内にモントーク・ビル(1882)をはじめ,モナドノック・ビル(1892)やリライアンス・ビル(1894)など,高層建築の初期代表作を建てた。これらの作品はルートがおもに設計したもので,彼の没後は古典主義様式に転じ,多くの商業建築をつくった。シカゴの万国博覧会(1893)を主任建築顧問として成功させたのを機に,都市計画分野にも進出。首都ワシントンの改修計画(1901,上院公園委員会案)ののち,サンフランシスコ(1904),シカゴ(1909)などの古典的で規模壮大な計画案を次々と発表して,20世紀初頭の〈都市美運動City Beautiful Movement〉を主導した。
執筆者:黒川 直樹
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…ベニミョウガS.rubrumは3cmくらいになり,その頭状部は紅色または紫褐色をしており,相模湾以南の水深130~500mの海底に産する。ハナミョウガCalantica cosは全長2~4cmくらい,駿河湾,相模湾の70~100mの深所より,トゲヒメミョウガSmilium scorpioは体長2~5cm,鹿島灘以南の水深35~100mのところから知られている。【蒲生 重男】。…
… 動物の見世物や格闘技なども含め,見世物はさまざまなかたちで後代に伝えられていくが,欧米ではその〈後裔〉として,組織的な近代サーカスが生まれたことは特筆される点である。サーカスについては詳しくはその項目に説明を譲るが,たとえば,1835年に〈ワシントン大統領の乳母であったという161歳の黒人女〉の展覧によってデビューし,42年に大アメリカ博物館を開いて〈フィジー島の人魚〉で大当りをとり,のち71年にサーカス団を作ってアメリカ・サーカスの黄金時代を築くP.T.バーナムの軌跡は,サーカス前史をも含めた,近代の見世物精神(ショーマンシップ)の一つの典型を示しているといえる。アメリカにおけるサーカスは,ほぼ,映画の本格的な隆盛とともにその盛期を終えるが,実はこの〈科学的スペクタクル〉としての映画も,その魅力の多くの部分を〈見世物性〉に負っていた。…
※「バーナム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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