日本大百科全書(ニッポニカ) 「オードゥー」の意味・わかりやすい解説 オードゥーおーどぅーMarguerite Audoux(1863―1937) フランスの女流小説家。養育院で成長。農家の下働き、パリでお針子など貧困生活のなかに文学に開眼した。フィリップ、ミルボーに認められて自伝小説『マリ・クレール』(1910)を発表、フェミナ賞を受ける。これは成長期の素朴で真摯(しんし)な感情を清明な文体で語る佳品で、『マリ・クレールの仕事場』(1920)、『町から水車場へ』(1926)の続編があるが、純朴な作風のため時代に忘れられ、不遇のうちに没した。[小林 茂] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例