オーレリア(その他表記)Aurélia ou le Rêve et la vie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーレリア」の意味・わかりやすい解説

オーレリア
Aurélia ou le Rêve et la vie

フランス詩人小説家 G.ネルバルの最後の小説副題「夢と人生」。 1855年刊。彼を自殺に導いた狂気発作合間に書かれ,夢と現実が錯綜した幻想的世界が描かれている。永遠の恋人のイメージを夢の中に捜し求めていくうち,現実の女性よりさらに真実な幻の女性オーレリアが現れ,それを追って詩人は死の世界に入っていく。不安と絶望,そしてある種の甘美の交り合った純粋澄明な文体は,神秘的な内容とともにこの作品の魅力となっている。

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世界大百科事典(旧版)内のオーレリアの言及

【ネルバル】より

…帰国後は《東方紀行》(1851)や《幻視者たち》(1852)などの著作に没頭したが,49年以降発作が再発し,55年にパリの裏町で縊死体で発見されるまで,入院と退院を繰り返した。だが,短編小説集《火の娘たち》(1854,巻末に《幻想詩編》が付く)や小説《オーレリア》(1855)等の傑作の多くは,この狂気の発作が頻繁に訪れた晩年に書かれている。 ネルバルは早くから神秘思想に興味を持ち,錬金術やカバラや占星術などの神秘学のほかに,西洋や東洋の古代宗教に関する多数の書物を読みあさった。…

※「オーレリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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