…近代的な恋愛至上主義をうたいあげた名作で,脚本に指定された古風な義太夫も新鮮にひびき,〈清きおとめと恋をして〉〈鳥辺の山を死場所と〉などの名せりふで一世を風靡した。初演の左団次・松蔦以降,3世寿海・2世芝鶴から,10世市川海老蔵・5世坂東玉三郎に至るまで,お染・半九郎は多くのコンビによって繰り返し上演され,古典としての位置を得ている。遊女お染も,従来の遊女の類型を破った美しさがみられ,半九郎も純情な青年の多感さを遺憾なく表現,近代的な人物像の一種の典型を示している。…
※「お染半九郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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