お熊甲祭(読み)おくまかぶとまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「お熊甲祭」の意味・わかりやすい解説

お熊甲祭
おくまかぶとまつり

石川県七尾市中島町宮前に鎮座する久麻加夫都阿良加志比古神社(くまかぶとあらかしひこじんじゃ。熊甲神社)で 9月20日に行なわれる秋祭り。二十日祭ともいう。熊甲神社は近郷 22地区の総社で,秋祭りは域内の 19の末社が参集して行なわれる。祭り当日の朝,各末社から猿田彦(→サルタヒコノカミ〈猿田彦神〉)を先頭に神輿と枠旗(わくばた)と呼ばれる高さ 20mもの深紅ラシャの大旗が集まり,次々と拝殿前への走り込みが行なわれる。枠旗は,木組みの枠台で担がれ,旗竿の上にはドンボコとハタガシラと呼ばれる旗印が,根もと部分には人形が取り付けられている。すべての末社が集まると,各地区の太鼓が 2列に並んで打ち鳴らされるなかで猿田彦が舞い,各末社からの奉幣が行なわれる。午後 2時頃から,約 700m離れた加茂原にある御旅所への渡御となり,末社の神輿や枠旗もくじで決められた順番に従って行列する。御旅所では,枠旗が左回りに練り,それを地面すれすれの位置まで倒す「島田くずし」が行なわれ,見どころとなっている。枠旗は各末社の祭りにも出されており,中島町の祭りを特徴づけている。1981年に「熊甲二十日祭の枠旗行事」として国の重要無形民俗文化財に指定された。

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