末社(読み)まっしゃ

精選版 日本国語大辞典 「末社」の意味・読み・例文・類語

まっ‐しゃ【末社】

〘名〙
神社で、本社に付属し、その支配を受ける小社摂社に次ぐ格式を有するもの。
吾妻鏡‐文治五年(1189)九月一〇日「鶴岡末社熱田祭也」
② (「客」を「大尽(だいじん)」というのを「大神」に言いかけ、それを取りまく「末社」の意でいう) 遊里で客の取り持ちをする者。太鼓持幇間。〔評判記・色道大鏡(1678)〕
③ 転じて、取り巻きの人。
洒落本・禁現大福帳(1755)五「末(マッ)社一人ばくの縄目三尺手拭にて尻からげ」
④ (「親」を「本社」にたとえていう) 子ども。
※新板当世むりもんだふ(1830‐44)「内のかかを山の神といふはいかに、子どもを末社といふがごとし」
謡曲・岩船‐間狂言(古本能狂言集所収)(1645)「間の謡ひ無き時は、末社にもする」

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デジタル大辞泉 「末社」の意味・読み・例文・類語

まっ‐しゃ【末社】

本社に付属し、その支配を受ける小神社。摂社に次ぐ格式を有し、本社の祭神由緒に深い関係をもつ。えだみや。
《客をいう大尽だいじんを大神にかけて本社にたとえ、それを取り巻くものの意》遊里で客の取り持ちをする者。たいこもち。
榊原という旦那が五六人の―を従え」〈谷崎・幇間〉
[類語]神社やしろみや神殿神廟しんびょう社殿廟宇びょうう神宮鎮守ちんじゅほこら大社稲荷八幡本社摂社祠堂

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百科事典マイペディア 「末社」の意味・わかりやすい解説

末社【まっしゃ】

神社の社格一つ摂社(せっしゃ)の下。本社に付属する小社で,その境内の内または外にある。中世以来の流行神(伊勢・八幡・日吉・賀茂・春日・白山・諏訪・稲荷・天満宮等)を分祀したものが多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「末社」の意味・わかりやすい解説

末社 (まっしゃ)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「末社」の意味・わかりやすい解説

末社
まっしゃ

社格の一つ。本社に対する枝宮をいう。本社に付属する小さい神社で,摂社に次ぐ位置にある。境内末社と境外末社とがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「末社」の意味・わかりやすい解説

末社
まっしゃ

摂社・末社

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