コサック,コザックともいわれる。14~16世紀にロシア東南辺境に流亡民がふえ,16~17世紀に国境防備の自由な戦士集団(軍事的自治共同体)を形成,ザポロージエ,ドン,ヤイク,シベリアなどの各カザーク集団ができた。生業は牧畜,漁業,狩猟,交易など。アタマン(隊長)のもとに人馬一体の生活を営んだ。シベリア征服のエルマーク,反乱指導者のラージン,プガチョーフなどを出したが,20世紀にかけて帝国の騎兵供給源と化し,ロシア革命の際には反ボリシェヴィキ勢力に属した。
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…南ロシア,ウクライナ,シベリアなどで活躍した騎馬に巧みな戦士集団。ロシア語のカザークkazakは〈放浪者〉〈冒険者〉を意味するトルコ語に由来し,以前は中央アジアのカザフ人もカザークとよばれた。中世末ロシアの南・南東国境の警備にトルコ系カザーク,ついでロシア人が配置されたが(〈町のカザーク〉),15世紀後半から役人や地主の圧制を逃れて国境を越えた逃亡農民などもカザークと称し,この〈自由カザーク〉がドン,テレク,ヤイク(ウラル)などの川岸に集まり,それぞれ16世紀のうちに,全員の集会(クルーク)とアタマンの選挙制をもつ独特の民主的・軍事的な組織をつくった。…
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