大学事典 「カザーティ法」の解説
カザーティ法[伊]
カザーティほう
イタリア統一直前のサルデーニャ王国政府の公教育大臣カザーティ,G.(Gabrio Casati, G.,1798-1873)が,近代国家としての中央集権的な公教育制度を確立させた法律。1859年に公布,翌年施行され,統一以後はすべての地域に適用された。強力な国家管理の下で教育行政から教育内容に至るまで総合的な教育改革をおこない,学校制度は4年間の初等学校修了後は,大学に接続する5年間のジンナジオ(イタリア)と3年間のリチェオ(イタリア),大学に接続しない技術学校等の職業教育に分断された。大学もまた近代的な大学に改革され,中世以来継続していた法学部,神学部,医学部に,新たに文・哲学部,物理・数学・自然科学部の二つの学部が加えられ,5学部から構成されることとなった。教授や学長の任命はもとより,教育課程の決定までも国家統制の下に置かれた。
著者: 児玉善仁
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報