( 1 )「かしらぬ」のうち「知らぬ」の語義が希薄になり江戸時代前期に疑問の意味を表わすようになった。相手に直接質問するのではなく、自分が知らないということを表わすことに中心があり、相手が答えられないことを聞いたり、話し手限りの発話で、疑いだけを表わしたりすることができた。
( 2 )明治時代に入ってから語形は「かしらん」、さらに「かしら」へと移行し、現代に至った。現代ではどちらかといえば女性らしい言い回しとなっている。
《料理されるためにまないたにのせられた魚の意から》相手のなすに任せるより方法のない運命のたとえ。まないたの鯉こい。[類語]俎板まないたの鯉こい・薬缶やかんで茹ゆでた蛸たこのよう・手も足も出ない...