カドミウム腎症(読み)カドミウムジンショウ

デジタル大辞泉 「カドミウム腎症」の意味・読み・例文・類語

カドミウム‐じんしょう〔‐ジンシヤウ〕【カドミウム腎症】

カドミウム体内に蓄積することによって起こる腎臓障害。尿細管機能が低下し、たんぱく質・糖・カルシウム・リンなどの再吸収が阻害される。長く続くと骨軟化症に至る。→イタイイタイ病

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カドミウム腎症」の意味・わかりやすい解説

カドミウム腎症
かどみうむじんしょう

カドミウムが原因の公害病「イタイイタイ病」に至る前駆症状としてみられる腎臓障害。尿細管の機能低下により、タンパク質、糖、カルシウム、リンなどの再吸収が阻害される。イタイイタイ病訴訟では、患者らが長年にわたって救済を求めていた。2013年(平成25)、三井金属鉱業公害を発生させたことを地元の訴訟団体「神通(じんづう)川流域カドミウム被害団体連絡協議会」に対して謝罪し、汚染地域に住んだ経験のある、国の公害病の認定から外れ、救済の対象にならなかったカドミウム腎症患者に、一人当り60万円の一時金を支払うこととした。また、患者賠償や土壌復原、環境対策に関する全面解決の合意書を取り交わした。

[編集部]

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