改訂新版 世界大百科事典 「カバリエリの定理」の意味・わかりやすい解説
カバリエリの定理 (カバリエリのていり)
Cavalieri's principle
平面上に二つの図形A,Bがあって,一定の方向の直線で両図形を切るとき,Aの切口の長さがつねにBの切口の長さのk倍であるならば,Aの面積はBの面積のk倍である。ガリレイの弟子B.カバリエリが,この事実を用いて種々の図形の面積を求める問題を論じたのは,微積分の発見される以前のことであって,この事実をカバリエリの定理(またはカバリエリの原理)という。このことを用いると,例えば,円x2+y2=a2の面積がπa2であることから,楕円x2/a2+y2/b2=1の面積がπabであることが導かれる。またこの事実を空間図形に拡張した次の事実も,カバリエリの定理と呼ばれる。すなわち,二つの空間図形A,Bがあって,一定の平面に平行な平面で両図形を切るとき,Aの切口の面積がつねにBの切口の面積のk倍であるならば,Aの体積はBの体積のk倍である。
執筆者:伊藤 清三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報