日本大百科全書(ニッポニカ) 「カプッチッリ」の意味・わかりやすい解説
カプッチッリ
かぷっちっり
Piero Cappuccilli
(1929―2005)
イタリアのバリトン歌手。トリエステ生まれ。ローマのサンタ・チェチーリア音楽院などで学んだのち、1956年ビオッティ国際コンクールで2位になり頭角を現した。翌年デビュー、58年パレルモで『シチリア島の夕べの祈り』に出演、そのときの指揮者トゥリオ・セラフィンは、マリア・カラス主演で『ランメルムーアのルチア』を録音した際に彼を起用した。それが契機となって、60年ニューヨークのメトロポリタン歌劇場、64年にはミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場にデビュー。以後世界の主要歌劇場でリゴレット、シモン・ボッカネグラ、マクベス、ヤーゴ(オテロ)などベルディのオペラの役をおもに歌って高い評価を獲得、またドニゼッティ、ベッリーニらの作品も歌った。
[美山良夫]
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