カンクリン(その他表記)Kankrin, Egor Frantsevich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンクリン」の意味・わかりやすい解説

カンクリン
Kankrin, Egor Frantsevich

[生]1774.11.27. ハナウ
[没]1845.9.21. パブロフスク
ロシア財政家,政治家。ドイツ人。 1797年よりロシアで勤務。アレクサンドル1世のとき蔵相となり,ニコライ1世治世前半にも一貫して財政を担当した。彼は労働者階級を現体制への脅威と考えて,産業発展を抑圧したが,保護関税を維持し,酒類の一手販売制度を拡大して財政の改善に尽した。またナポレオン戦争期における紙幣の乱発で下落した通貨の安定をはかるため,1839年幣制改革を断行した。鉄道建設には反対したが,在任中の 37年,ロシア最初の鉄道がペテルブルグツァールスコエセロ (現プーシキン) の間に敷設されている。

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