カートネーション(読み)かーとねーしょん(英語表記)catenation

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カートネーション」の意味・わかりやすい解説

カートネーション
かーとねーしょん
catenation

同じ元素原子どうしの間で結合する現象をいう。このような結合のできる性質は、炭素でとくに著しくみられ、鎖式化合物(脂肪族化合物)や環式化合物でほとんど無限ともいえるほど長いカートネーションがみられる。周期表中で炭素に近い元素でも、炭素よりは強くないがみられる。たとえば、炭素の下にあるケイ素ゲルマニウムでは、水素化合物で最長鎖のものはSi8H18、Ge5H12であり、スズや鉛ではSnH4、PbH4しか知られていない。また炭素の隣の窒素ではテトラゼンH2N-N=N-NH2やオクタゼンHN=N-NH-N=N-NH-N=NHのような鎖式化合物でカートネーションの現象がみられるし、硫黄(いおう)ではポリチオン酸HO3S-Sn-…-S-SO3HやスルファンH-S-S-…-S-Hなどでみられる。酸素では過酸化水素H-O-O-Hが知られているが、これ以上のものは知られていない。

[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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