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なまりlead

翻訳|lead

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


なまり
lead

元素記号 Pb ,原子番号 82,原子量 207.2。周期表 14族に属する。天然には方鉛鉱白鉛鉱などとして産する。地殻の平均含有量は 13ppm,海水中の含有量は1 μg/l である。主要鉱石は方鉛鉱で,これを焙焼して酸化鉛として溶融し,コークスを加えて溶鉱炉で還元製錬し,粗鉛を得る。粗鉛はさらに電解法あるいは乾式法によって精製する。単体は青白色の銀状の軟らかい金属。融点 327.4℃,比重 11.3,硬さ 1.5。空気中では錆びるが,内部には及ばず安定である。酸に可溶。酸素が存在すると水,弱酸にもおかされる。鉛板鉛管としての需要が多く,蓄電池電極としても多く使われる。活字合金,はんだ,易融合金軸受合金,チューブ,硬鉛鋳物などにも使われる。

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デジタル大辞泉の解説

えん【鉛】[漢字項目]

常用漢字] [音]エン(呉)(漢) [訓]なまり
なまり。「鉛管鉛錘鉛毒鉛版
おしろい。「鉛白鉛粉
なまりに似た物質。「鉛筆亜鉛黒鉛蒼鉛(そうえん)

なまり【鉛】

炭素族元素の一。単体は青白色の軟らかくて重い金属。融点がセ氏327.5度と低く、加工が容易。耐食性にすぐれ、空気中では表面が酸化されて被膜となり、内部に及ばない。主要鉱石は方鉛鉱。鉛管・電線被覆材・はんだ・活字合金・蓄電池極板放射線遮蔽(しゃへい)材などに使用。元素記号Pb 原子番号82。原子量207.2。

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百科事典マイペディアの解説

鉛【なまり】

元素記号はPb。原子番号82,原子量207.2,融点327.5℃,沸点1750℃。古くから知られた金属元素の一つで,前1500年ころにも製錬の記録があり,化合物としても顔料,医薬品などに使用された。
→関連項目海洋投棄規制条約工業中毒ごみ公害耐食合金バーゼル条約非鉄金属

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栄養・生化学辞典の解説

 原子番号82,原子量207.2,元素記号Pb,14族(旧IVa族)の元素.生体必須元素ではなく,有毒,有害物質として扱われる.

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世界大百科事典 第2版の解説

なまり【鉛 lead】

周期表元素記号=Pb 原子番号=82原子量=207.2地殻中の存在度=12.5ppm(35位)安定核種存在比 204Pb=1.40%,206Pb=25.1%,207Pb=21.7%,208Pb=52.3%融点=327.5℃ 沸点=1744℃比重=11.3437(16℃)水に対する溶解度=3.1×10-4g/l(24℃)電子配置=[Xe]4f145d106s26p2おもな酸化数=II,IV周期表第IVA族に属する金属元素。

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大辞林 第三版の解説

なまり【鉛】

14 族(炭素族)元素の一。元素記号 Pb  原子番号82。原子量207.2。方鉛鉱などとして産する。有史以前から知られた、青白色の軟らかい金属。比重11.34(摂氏20度)、空気中では表面に丈夫な酸化皮膜をつくり安定。鉛板・鉛管として用い、蓄電池の電極・放射線遮蔽板などとする。防食のためのめっき、また合金としてはんだ・易融合金などの材料にも用いる。可溶性鉛化合物はすべて有毒。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


なまり
lead

周期表第14族に属し、炭素族元素の一つ。鉱石からの金属の抽出が容易であるため、もっとも古くから人類が使用した金属として、約5000年前のものと思われる鉛の鋳造品などが発見されている。古代エジプトでは装飾品として、アッシリアでは建造物の一部に使われ、ローマ遺跡からは鉛製の水道管がまだ使用できる状態でみつかっている。古代中国でも鉛製品が多くあり、銅と銀との合金を鉛を用いて分離する方法も知られていた。また古代ガラスは、エジプト、オリエントなどのアルカリガラスに対し、中国、日本では鉛ガラスが多い。さらに医薬、顔料として密陀僧(みつだそう)PbO、鉛丹(えんたん)Pb3O4、鉛白(えんぱく)2PbCO3Pb(OH)2などの鉛化合物がギリシア・ローマ時代から知られていた。中国および日本では古く青金(あおがね)とよんで五色の金(かね)(黄金(こがね)=金、白金(しろがね)=銀、赤金(あかがね)=銅、黒金(くろがね)=鉄、青金=鉛)の一つであった。元素記号のPbは鉛のラテン語plumbumに由来する。[守永健一・中原勝儼]

存在

方鉛鉱PbS、白鉛鉱PbCO3、硫酸鉛鉱PbSO4、紅鉛(べにえん/こうえん)鉱PbCrO4などの鉱物として、また亜鉛、金、銀、銅などとともに複雑な鉱物として産出する。世界の埋蔵量は1.5億トン程度で、日本のそれはきわめて少ない。天然の放射性崩壊系列の終点の安定核種は鉛の同位体である。ウラン・ラジウム系列では鉛206、トリウム系列で鉛208、アクチニウム系列では鉛207であるから、放射性鉱物中の鉛の原子量から、その起源や年代を推定することができる。[守永健一・中原勝儼]

製法

鉛冶金(やきん)のおもな原料は方鉛鉱で、焙焼(ばいしょう)、焼結して酸化物の塊とし、石灰石、コークスなどと溶鉱炉で強熱して粗鉛を得る。粗鉛(98.5%)の精製には乾式法と電解法がある。この精製過程で不純物として含まれている金や銀などが副産物として回収される。乾式法は歴史が古く、イギリスの工業化学者A・パークスが1842年に原理を発見したパークス法では、融解状態で亜鉛が鉛に溶けにくいこと、また金や銀が表面に浮かぶ亜鉛層に溶けやすいことを利用する。すなわち、少量の亜鉛を加えて、粗鉛中の金・銀を亜鉛合金として分離し精鉛とする。電解法は、粗鉛を陽極とし、ヘキサフルオロケイ酸鉛PbSiF6と遊離の酸H2SiF6を含む水溶液を電解して、陰極板(純鉛)上に鉛を析出させる(ベッツ法)。電解鉛とよばれ、高純度のもの(99.999%)が得られる。鉛(地金)は世界で約1053万トン生産されたが、日本では輸入鉱物からの生産を含めても25万トン程度である。消費量は世界で約1041万トン、日本では約23万トン(2011)。[守永健一・中原勝儼]

性質

軟らかい青白色の金属。熱伝導率、電導率ともに銀の約8%にあたる。容易に切ったり曲げたり延ばしたりできる。新しい切り口は金属光沢をもつが、空気中では表面が酸化され鈍い色となる。このさびは表面を覆い、内部にまで及ばないので、腐食しにくい。空気中で熱すれば酸化鉛()PbOとなる。酸化鉛()を450℃付近で長く熱すると四酸化三鉛Pb3O4となるが、550℃以上でふたたび酸化鉛()となる。ハロゲンとは直接反応してハロゲン化物を生じ、硫黄(いおう)と熱すると硫化物となる。希硫酸には溶けないが、熱濃硫酸や硝酸には鉛()塩を生じて溶ける。酸素があれば酢酸のような弱酸にも溶ける。冷アルカリ溶液に徐々に溶け、熱アルカリには速やかに溶けて亜鉛(あなまり)酸塩M2PbO2となる。二酸化炭素を溶かした水中では表面に緻密(ちみつ)な鉛白(塩基性炭酸鉛)の皮膜を生じて内部が保護される。
  6Pb+3O2+2H2O+4CO2
  ―→2[2PbCO3Pb(OH)2]
鉛が有毒であるにもかかわらず水道の鉛管に使用されたのはこのためである。酸化数の化合物のほかに、酸化鉛()PbO2、酢酸鉛()Pb(CH3CO2)4などの化合物がある。これら酸化数の化合物は、二価化合物を塩素を含む酸化剤で処理したり、電解酸化することによってつくられる。ほかに、テトラエチル鉛Pb(C2H5)4のような有機鉛化合物が知られる。[守永健一・中原勝儼]

用途

金属材料としては融点が低く軟らかいので加工しやすい。また摩擦係数が小さく、大気、地中、海水などの自然環境に対する耐食性が強いこと、硫酸にも侵されにくいなど化学的性質が優れており、化学反応容器の内ばり、ケーブル被覆剤、鉛蓄電池の電極材料、建築材料に使われる。また軸受合金、活字合金、易融合金の成分として広く用いられている。X線やγ(ガンマ)線、その他の放射線を吸収する力が強いので、放射線遮蔽(しゃへい)材に用いられる。すなわち原子核産業では、鉛板あるいは鉛ガラスとして放射線防護用に用いられる。ある周波数の音波を吸収するので防音材にも使用される。しかし、目的によっては軟らかすぎるので、強度を増し、鉛の性質をなくさないような合金(アンチモン添加)がよく使われる。ケーブル被覆に約1%、蓄電池グリッド用には5~9%、また、ある種の鋳物用には10~15%加えることもある。スズとの合金は軸受合金、はんだなどにも用いられる。鉛の化合物(鉛白、酸化鉛()、鉛丹、テトラエチル鉛など)も金属鉛を原料としてつくられる。[守永健一・中原勝儼]

毒性

金属鉛はもちろん、可溶性鉛塩など体内で溶けて鉛イオンを生じるものすべてが有毒である。リン酸鉛として骨に蓄積され慢性障害を引き起こす。おもな症状として貧血、腹痛、伸筋麻痺(まひ)、不眠、視力障害などがみられる。[守永健一・中原勝儼]

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世界大百科事典内のの言及

【土星】より

…錬金術では,この図像に別個の意味を与えた。錬金術のシンボル解釈では,土星=サトゥルヌスは鉛に相当する。錬金工程で,水銀に鉛を作用させてその揮発性を押さえ,凝固させる必要があるとされるが,この場合サトゥルヌスの鎌は,水銀=ヘルメス(メルクリウス)の軽快な足をなぎ払うものという意味を帯びるわけである。…

【非鉄金属鉱業】より

…非鉄鉱物資源を探査・発見し,これを採掘・取得し,選鉱・製錬する産業。非鉄金属とは広義には鉄以外の金属すべてのことであるが,一般的には銅,鉛,亜鉛,スズ,ニッケル,コバルト,タングステンなどのことを指し,などは貴金属,アルミニウム,マグネシウム,チタンは軽金属として区別されることが多い。世界の生産量(含有量)は銅鉱1002万tで,うちチリ249万t,アメリカ185万t,旧ソ連80万tなど,鉛鉱は269万tで,うちオーストラリア45万t,アメリカ41万t,中国40万tなど,亜鉛鉱は700万tで,うちカナダ111万t,中国100万t,オーストラリア90万tなど,スズ鉱は19万4600tで,うち中国5万4000t,インドネシア4万6100t,ペルー2万2300tなどである(1995)。…

※「鉛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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