日本大百科全書(ニッポニカ) 「カードーゾ」の意味・わかりやすい解説
カードーゾ
かーどーぞ
Benjamin Nathan Cardozo
(1870―1938)
アメリカ連邦最高裁判所判事。コロンビア大学卒業後、コロンビア・ロー・スクールに学び、学位授与を待たずして、1913年ニューヨーク地方裁判所判事となる。ニューヨーク最高裁判所の陪席判事を経て、1917年同判事となり、1926年首席判事に選出された。1932年にはフーバー大統領の指名により、O・W・ホームズの後を受けて連邦最高裁判所判事となる。判事としてのカードーゾは、つねに法を社会の要請にあわせようと努めた。R・パウンドらとともにプラグマティズムの法思想の代表者の一人としても知られる。最高裁判事となってからは、連邦憲法に関する新判例の形成に努め、ニューディール政策開始後は新しい多数派の形成に貢献した。カードーゾは著作活動においても知られ、『司法過程の性質』(1921)などのほか、とくに『法の発達』The Growth of the Law(1924)は不朽の名著とされ、日本の法学界にも大きな影響を与えた。
[淡路剛久]