…また,ヨーロッパの諸都市もそれぞれの市城壁を整備していったが,なかんずく南フランスのカルカソンヌの市城壁(13世紀)はその完ぺきさで名高い。また,ガイヤール城の陥落(1209)が天守の孤立に起因したという経験から,クーシーCoucy城(1225‐40ころ)のように,直径32m,高さ51mという巨大な円筒形天守を城郭の最前面に突出させるという斬新な設計が現れた。 イングランド王エドワード1世(在位1272‐1307)は1283年以降,ウェールズ征服のため多数の城郭を建造したが,これらは〈エドワード式集中型城郭〉と呼ばれ,円塔をつけた二重の城壁で同心状に囲む特色をもち,そのなかでも代表的なハーレックHarlech城(1285ころ‐90)とボーマリスBeaumaris城(1295‐1323)では,高い内城壁を低い外城壁で囲み,整然とした対称形平面であるが,天守はなく,その代りに,それだけで独立した要塞となりうる巨大な城門を内城壁から突出して設けた。…
…城を攻めること,攻城術をいう。
[日本]
所領支配の拠点としての城の性格が強まり,その規模も拡大した戦国期から近世初頭までを中心に述べる。包囲,接近,突入と占領の三つの段階からなる。第1の段階は,城を政治的・軍事的に孤立させ,城内と外部の支援勢力との連絡を絶つことに目的がある。籠城する側は,城の周辺の土地から兵糧など必要な物資を城に取り込み長期戦に備えるとともに,攻め方にそれらの物資を利用されることを防ぐ。…
※「ガイヤール城」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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