改訂新版 世界大百科事典 「ガウスメーター」の意味・わかりやすい解説
ガウスメーター
Gauss meter
磁石の磁極間などの磁束密度を簡単に測定する測定器で磁力計の一種である。磁束密度のCGS電磁単位はガウス(G)であるのでこの名前がある。なお,磁束密度の単位は国際単位系ではテスラ(T=104G)である。原理としてホール効果を用いたものが多い。磁場に挿入する測定用プローブには,ゲルマニウムGe,アンチモン化インジウムInSb,ヒ化インジウムInAsのような半導体薄片(3×2×0.2mm程度)からなるホール素子(ホール発電器)を用いる。磁束密度Bの磁場を素子の厚さtの方向に加え,磁場と直角方向に電流Iを流せば,両者に直角方向に電圧Vが発生し,で表せる。ηはホール係数である。これを利用して,発生電圧を増幅,磁束密度の単位で計器を目盛り指示させる。1kHzの搬送波電流を用いれば0~500Hzの磁場測定が可能である。測定範囲は10G~30kG(10⁻3~3T)程度である。
執筆者:平山 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報