テスラ(読み)てすら(英語表記)Nikola Tesla

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テスラ」の意味・わかりやすい解説

テスラ(Nikola Tesla)
てすら
Nikola Tesla
(1856―1943)

アメリカの電気技術者、発明家クロアチアに生まれ、グラーツ工科大学、プラハ大学で学び、1884年アメリカに渡り、のち帰化。1882年回転界磁型電動機考案、1887年同じ原理に基づく発電機とあわせて特許を申請、外相交流による大電力輸送技術体系の基礎を確立した。さらに有名な「交直論争」のなかで、当初、交流の安全性を示すための実験用に、テスラ・コイル、テスラ回路、油浸式変圧器などからなる高周波高電圧技術を開発した(1891~1892)。これらは1895年ウェスティングハウス社(現、CBS)によりナイアガラ滝の発電所からの送電に応用され、画期的な成功を収めた。

[宮下晋吉]


テスラ(磁束密度の単位)
てすら
tesla

国際単位系SI)の磁束密度単位。固有の名称記号で表されるSI組立単位の一つである。磁束方向に垂直な面において、1平方メートルにつき1ウェーバー(Wb)の磁束密度をいう。記号はTで表す。名称はアメリカの電気技術者テスラにちなんでつけられた。1954年の国際電気標準会議で国際単位系に採用された。

[小泉袈裟勝・今井秀孝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テスラ」の意味・わかりやすい解説

テスラ
Tesla, Nikola

[生]1856.7.10. クロアチア,スミルキン
[没]1943.1.7. ニューヨーク
アメリカの電気工学者,発明家。グラーツの工業大学,プラハ大学に学ぶ。パリで電気技師となり,1884年アメリカに渡り,エジソン研究所に勤務。交流電送方式を主張して T.エジソンと対立,独立して研究所を設立。 91年アメリカに帰化。 83年,自分の着想した回転磁場の法則を適用して,誘導電動機を発明。同じ原理で誘導型発電機をつくり,その特許権を G.ウェスチングハウスに売った。これはのちにナイアガラ瀑布の発電所に用いられて高圧交流を得ることに成功,交流電送時代を築いた。また 91年のテスラ変圧器の発明をはじめとして,無線通信施設の建設にも尽力,ラジオ放送技術の発展に貢献した。 1917年アメリカ電気工学会からエジソン・メダルを受賞した。

テスラ
tesla

磁束密度の SI組立単位。記号はT。 1Tは磁束の方向に垂直な面 1m2あたり 1Wbの磁束密度である。単位名は N.テスラの名にちなむ。

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