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磁力計 じりょくけいmagnetometer

翻訳|magnetometer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

磁力計
じりょくけい
magnetometer

磁場の大きさを測定する装置。地磁気電磁石のつくる磁場などの測定のほか,磁性体磁化の強さの測定にも用いられる。磁場の大きさは磁束密度SI単位テスラ (T) で表わすことが多いので,磁束計と同じ意味で取扱われることが多い。最近では半導体のホール効果を利用したホール素子磁力計がよく用いられる。これは 10-2cc 程度の微小な領域でも測定可能で,磁場の強さの測定範囲も広い。また,プロトン核磁気共鳴を応用したプロトン磁力計は絶対測定 (→測定の方法 ) も可能で,強磁場の測定に盛んに用いられる。そのほか,原子のゼーマン効果光ポンピング法とを用いた光ポンピング磁力計は微小磁場の連続測定,絶対測定ができ,感度は 10-11T 程度にもなっている。古典的な例として,磁場による磁針のふれを光てこにより拡大して測定するものとか,サーチコイルを磁場から出したときに生じる誘導起電力を検流計で測定するものなどがある。

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デジタル大辞泉の解説

じりょく‐けい【磁力計】

磁界の強さを測定する装置。小さい磁石を細い線でつり、それにつけた鏡で磁針回転角を測る。

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百科事典マイペディアの解説

磁力計【じりょくけい】

地磁気の強さを測定する器械。広義には物体の磁化の強さを測る装置一般をいう。前者は,地球磁力の方向と大きさの絶対値を測定する絶対磁力計,地磁気の場所による相対的変化を測り磁気探査にも利用される磁気偏差計,地球磁力の時間的変化を測定または記録する地磁気変化計の3種に分類される。

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世界大百科事典 第2版の解説

じりょくけい【磁力計 magnetometer】

磁場や磁化の方向や大きさを測定する装置の総称。おもに地球科学と磁性体物理学の分野で使われ,前者では地磁気や岩石の自然残留磁気などの微小な磁場や磁化の測定に使用する。磁力計には原理の違いで,(1)磁石が磁場中で受ける力を測定するもの,(2)電磁誘導の法則を利用するもの,(3)ある種の磁性体の磁化特性を利用するもの,(4)磁気共鳴を利用するもの,(5)液体ヘリウム温度(-269℃)での超伝導効果を利用するものなどがある。

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大辞林 第三版の解説

じりょくけい【磁力計】

磁場の強さおよび方向を測定する器械。地磁気や磁性体の磁化の強さを求めるのにも用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

磁力計
じりょくけい
magnetometer

物質の磁気の強さ(=磁化)を測る磁化測定装置と、磁場を測る磁場測定装置の総称。
(1)磁化測定装置 測定原理により2種に大別される。第一は、ファラデーの電磁誘導の法則を応用するもの。1対のサーチコイルの中央に置かれた試料を動かすとコイルに起電力を発生する。この起電力は、コイル内の磁束の時間変化に比例するので、試料を動かす速さを同じにして、標準試料の場合の起電力と比較することによって、試料の全磁気モーメント(μ)(したがって、単位体積当りの磁気モーメント=磁化M)を知ることができる。試料を機械的に振動させる方式が試料振動型磁力計で、広く使用されている(図A)。第二の原理は、磁性体が不均一な磁場から受ける力を利用するもの。電磁石の向かい合うN、S磁極間中心より(磁場に垂直方向に)少し離れた位置に、試料を置く。常磁性体または強磁性体は磁極中心(最大磁場の位置)に向かう吸引力を受ける(反磁性体では逆向きの力になる)。この力は試料の全磁気モーメント(μ)に比例するので、力の大きさと向きを測れば、μを求められる。力の測定には高感度の天秤(てんびん)を使うことが多い。この場合には、試料の位置は磁極中心から鉛直上方へずらせる。この方式を磁気天秤という(図B)。力を利用する方法は、ピエール・キュリー(マリー・キュリーの夫)の時代(19世紀末)から1960~1970年代ころまで磁化測定の主流をなしていたが、1970年代後半ころから試料振動型の磁力計が主流になってきた。
(2)磁場測定装置 種々の測定原理のものがあり、目的に応じて使い分ける。前述の電磁誘導の法則を応用するものがもっとも基本的で、磁場内に置かれたサーチコイルに発生する起電力を測定する。静磁場の場合はコイルを動かし、時間変化する磁場の場合は静止コイルを用いる。この方式は、ごく微弱な磁場を除いてはすべての磁場に応用できる。そのほかに、半導体のホール効果を利用したものが多く使われ、中程度の磁場測定には便利である。やや特殊なものとして、(H2O内水素の陽子の)核磁気共鳴、超伝導体のジョセフソン効果、光のファラデー効果、磁気抵抗などを応用したものもある。核磁気共鳴の方法は磁場の精密測定に、ジョセフソン効果の方法は微小磁場の測定に適する。[宮台朝直]

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