日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ガバメント・リレーションズ
がばめんとりれーしょんず
government relations
企業が専任の部署を設け、自社と政府との関係を積極的に構築すること。具体的には情報収集、ロビー活動、メディア戦略などを通じて行政に働きかける。略称GR。とくにヨーロッパの多くの企業はヨーロッパ連合(EU)本部のあるブリュッセルに担当者を常駐させ、自社に関連する法案やガイドラインなどの担当者にコンタクトをとり、自社に不利にならないよう影響力を行使しようとする。大衆に対する情報提供活動であるパブリック・リレーションズ(PR)、投資家とのコミュニケーション活動であるインベスター・リレーションズ(IR)に続く、第三の広報活動として位置づけられている。従来の「ロビイング」の別表現といえるが、密室で行うイメージのあるロビイングに対し、ガバメント・リレーションズは、調査で用いた手法を情報公開しその正当性を担保するなど、透明性を確保しながら行うことが多い。また、ロビイングの場合には、業界団体が意見を集約し、弁護士など専門家を通じて行政や立法に圧力をかける間接的なアプローチが中心であるが、ガバメント・リレーションズは各企業の独自活動をさすことが多い。
[編集部]