ガボリオ(読み)がぼりお(その他表記)Emile Gaboriau

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガボリオ」の意味・わかりやすい解説

ガボリオ
がぼりお
Emile Gaboriau
(1835―1873)

フランスの推理小説(ロマン・ポリシェ)の始祖生年には1832年説もある。1866年に『ルルージュ事件』を新聞に発表した。しかし、以後発表された作品も新聞小説(ロマン・フィユトン)の形態をとったもので、旧家の秘密スキャンダルを謎(なぞ)の中心に据えた娯楽読物の色彩が強く、推理小説の範囲に入るのは8編ばかり、彼のつくったルコック探偵Monsieur Lecoqが現れるのは、そのなかの『ルコック探偵』(1869)を含め5編である。警官でもあるルコック探偵は、じみに証拠を集め、組み立て、観察、推理するという実証的探偵の一典型として、以後の推理小説の名探偵の創作に大きな影響を与えた。

[梶 龍雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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