創作(読み)そうさく

精選版 日本国語大辞典 「創作」の意味・読み・例文・類語

そう‐さく サウ‥【創作】

[1] 〘名〙
① 新しいものを最初につくりだすこと。ものを生みだすこと。また、そのもの。創造。
※真理一斑(1884)〈植村正久〉九「人類の進歩を以て学術発見及び機械の創作にのみ帰する論者は」
芸術作品を生みだすこと。また、その作品。特に小説をさすことが多い。芸術的創造。
※海潮音(1905)〈上田敏訳〉嗟歎「人をして宛然自から創作する如き享楽無からしむ」
※近代批評意義(1906)〈島村抱月〉「批評が創作と異なる最大理由は」
③ つくりごと。うそ。
[2] 短歌雑誌。月刊。明治四三年(一九一〇若山牧水が主宰して創刊。初期には石川啄木・北原白秋らを執筆者として擁し、多く日常生活や自然を清新に歌い上げるよみぶりによって、「明星廃刊後の自然主義的短歌の拠点となった。
[補注]「墨子‐所染」の「創作比周、則家日損」に見られるように、中国には古く墨子以来、「創作」には「勝手にふるまって先例に従わない」の意があった。

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デジタル大辞泉 「創作」の意味・読み・例文・類語

そう‐さく〔サウ‐〕【創作】

[名](スル)
新しいものをつくり出すこと。「新式の工具を創作する」
文学・絵画などの芸術を独創的につくり出すこと。また、その作品。「物語を創作する」「創作舞踊」
つくりごと。うそ。「そんな言い訳は彼の創作だ」
[補説]書名別項。→創作
[類語]虚構フィクション作り事小説物語はなし叙事ストーリーお話作り話説話小説口碑こうひ伝え話昔話民話伝説言い伝え

そうさく【創作】[書名]

日本の短歌雑誌。明治43年(1910)3月創刊。若山牧水編集者として東雲堂書店から刊行翌年版元との対立から廃刊となるが、大正2年(1913)に牧水が創作社を設立し、自身の主宰誌として復刊

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「創作」の意味・わかりやすい解説

創作
そうさく

短歌雑誌。月刊。1910年(明治43)3月、若山牧水(ぼくすい)を編集者として東雲堂書店から創刊。最初の短歌総合雑誌といってよい。初期には短歌ばかりでなく、石川啄木(たくぼく)、高村光太郎(こうたろう)、北原白秋(はくしゅう)、室生犀星(むろうさいせい)、萩原朔太郎(はぎわらさくたろう)らの注目すべき長詩、評論なども発表され、浪漫(ろうまん)主義衰退期の歌壇に、新しい自然主義的傾向の清新な雑誌として文壇の視聴をも集めた。のち牧水の創作社の雑誌となり、途中短い中絶はあったが、28年(昭和3)牧水没後は夫人喜志子(きしこ)、68年(昭和43)夫人没後は長男旅人(たびと)の主宰で継続された。91年(平成3)、旅人は編集・発行人を退き、牧水の次男、富士人が夫人のとみ子とともに編集・発行にあたった。しかし、98年1月に富士人が、同年3月には旅人があいついで死去し、以後とみ子が編集・発行人となった。

[大悟法利雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「創作」の意味・わかりやすい解説

創作
そうさく

文芸短歌雑誌。 (1) 第1期  1910年3月~11年 10月。若山牧水を主宰者に詩歌中心の文芸総合雑誌として発足。短期間ながら『明星』派の退潮に代る自然主義歌人の砦として,石川啄木,土岐善麿,北原白秋,前田夕暮,尾上柴舟,窪田空穂らが参加,清新な詩歌の一時代を形成した。 (2) 第2期  13年8月~14年 10月。太田水穂の協力を得て牧水の個人経営誌として発足,大正初期の詩歌壇にユニークな役割を果したが,個人としての限界があり第1期ほどのはなやかさはない。 (3) 第3期  17年2月~。牧水に妻喜志子が協力,牧水の死後は喜志子が引継いで発行。 44年 12月戦争激化のため休刊。 46年6月長谷川銀作の編集で復刊。長谷川の没後は若山旅人が引継いでいる。

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産学連携キーワード辞典 「創作」の解説

創作

「創作」とは、特許法第2条第1項で述べられている発明となるのための条件の1つで、新しいことを作り出すこと、自明でないことをいう。何も作り出さない「発見」とは区別される。したがって、天然物の単なる発見などは、特許法上の発明には該当しないが、天然物から人為的に分離した科学物質を作り出すことは「創作」であり、発明に該当する。

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普及版 字通 「創作」の読み・字形・画数・意味

【創作】そうさく

はじめて作る。

字通「創」の項目を見る

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