日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガルヤルサ」の意味・わかりやすい解説
ガルヤルサ
がるやるさ / 噶爾雅沙
中国、チベット自治区アリ地区南西部のガル県にある地名。旧称ガルトク(噶大克)。北側にはガンディセ山脈、南側にはヒマラヤ山脈が横たわり、インダス川上流部のガル河が北東に流れる。ルトゥやシガツェ方面に新蔵自動車道(カルギリク―ラツェ)が通じる。ヒツジやヤクを主体にした牧畜業が発達し、河谷地域では青稞(チンコー)(ハダカエンバク)栽培が盛んである。清(しん)代にはアリ地区第一の町として発展、1904年のイギリス・チベット条約(ラサ条約)によって、ツォモ、ギャンズェとともに市場として開放され、羊毛や緑茶などを対象にカシミール経由でインド、イギリスとの交易が行われた。
[駒井正一・編集部 2017年9月19日]