ガールボルク(その他表記)Garborg, Arne Evenson

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガールボルク」の意味・わかりやすい解説

ガールボルク
Garborg, Arne Evenson

[生]1851.1.25. チーメ
[没]1924.1.14. アスカー
ノルウェーの小説家,劇作家。終生農村と都会の対立や農民苦闘を扱い,過渡期の道徳の乱れ,ことに性の混乱に思いをひそめ,トルストイなどの影響下に禁欲主義に近づいた。彼は主としてランスモール (新ノルウェー語) で書いたため国外には知られることが少いが,真摯な問題意識と現実認識の精緻さによって,国内では最高の評価を得ている。『自由思想家』 Ein Fritenkjar (1878) ,『農民学生』 Bondestudentar (83) ,『男性』 Mannfolk (86) ,戯曲『融和しがたい人々』 Uforsonlige (88) などが前期の代表作。『疲れた男たち』 Trætte Mænd (91) 以後は倫理問題は背後に退き,彼自身郷里に帰って自然のなかに魂の安らぎを求めるようになる。散文詩集『丘の少女』 Haugtussa (95) は,幻視力をもつ少女を通じての自然賛美とそのなかに住む死者の魂や妖精族との交わりを美しく描いた名作。

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