食の医学館 「きなこ」の解説
きなこ
《栄養と働き&調理のポイント》
きなこは、ダイズを炒(い)って粉にしたものであり、ダイズ加工食品のなかでは、いちばんダイズそのものに近い栄養素をそのまま含んでいる食品です。
○栄養成分としての働き
おもな成分は、血中脂質を低下させる働きのあるダイズたんぱく質、血圧上昇を防止するダイズレシチン、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐダイズサポニン、女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンなどです。
ダイズレシチンは脳細胞を活性化させるので、ぼけ防止や記憶力を養うのに役立つといわれています。
とうふにくらべ、食物繊維が豊富なのも魅力です。便秘(べんぴ)の改善に役立ちます。
また、他のダイズ加工食品にくらべてイソフラボンを多く含んでいるのが特徴的。イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、更年期障害の緩和や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)を予防する効果が期待できます。そのほか、老化防止や乳がん、前立腺(ぜんりつせん)がんの予防にも役立ちます。
イソフラボンの1日の上限摂取量は70~75mgと設定されています。大さじ1杯のきなこには、イソフラボンがおよそ26mg含まれているので、ヨーグルトに入れたり味噌汁に加えるなどして、日常的にとるようにしましょう。きなこの効用を得るには常食することが大事です。
おすすめは牛乳+きなこの「きなこドリンク」。牛乳200ccに大さじ2杯のきなこを混ぜるだけです。好みではちみつやすりゴマを加えてもいいでしょう。
ほかにもさまざまな調理に使えるので、いろいろと試してみましょう。たとえば、ハンバーグ。パン粉のかわりにキナコを使います。ほんのりと香ばしい風味になり、子ども向けの味になります。
つくる際は、ねばりが少ないので、くずれやすいのが難点。ていねいにつくりましょう。