油脂成分脂肪酸のうち、不飽和結合(二重結合、-CH=CH-)を有するもの。この二重結合1個を有するものをオレイン酸、二重結合2個以上を有するものをポリ不飽和脂肪酸という。リノール酸(二重結合2個)、リノレン酸(二重結合3個)は、必須脂肪酸(ひっすしぼうさん)(体脂質の成分として必要であるが、人体内では合成されないために、かならず食物から摂取しなければならない栄養素)であり、動植物油脂に含まれる。高度不飽和脂肪酸(二重結合4個以上、4個の場合アラキドン酸)は、主として魚(水産動物)油中に含まれ、エイコサペンタエン酸(EPA、二重結合5個、EPA誘導体は血管壁を拡張し血栓を防止しアテローム性動脈硬化症の発生を防ぐ)、ドコサヘキサエン酸(DHA、二重結合6個、脳の成分要素で食物中のDHAは学習能力の上昇をもたらす)などを包含する。ポリ不飽和脂肪酸の摂取により、血清コレステリン値は低くなる。一般に二重結合の多い脂肪酸を含む油脂ほど自動酸化されやすく、熱、光、遷移金属イオンなどにより促進される。自動酸化により、まずヒドロペルオキシド(脂質の場合、過酸化脂質)を生じ、ついで揮発性物質を生ずるとともに、酸化重合する。ポリ不飽和脂肪酸は、脂肪油が酸敗する主因成分である。上述の過酸化脂質は、毒性を有し、老化、生活習慣病(成人病)、ダイオキシンなどの毒性発生の原因物質といわれ、健康によくない。脂肪酸の酸敗防止には、ビタミンE、C、B6など過酸化脂質蓄積防止剤をとればよい。また不飽和脂肪酸(とくにポリ不飽和脂肪酸)を含む油脂を食物(サフラワー油、大豆油など)として摂取する場合、新鮮である必要がある。不飽和脂肪酸を含む油脂は、食用油(脂)、塗料(とくに乾性油)、硬化油(水素添加して安定化したもの)などに用いられる。
[福住一雄]
『福住一雄著『これさえ食べれば老化癌高血圧も怖くない』(1984・実業之日本社、有楽出版社)』
炭素鎖に二重結合や三重結合を有する脂肪酸.炭素数と二重結合の数(および位置)で以下のように略称されることもある.オレイン酸(18:1,Δ9),リノール酸(18:2,Δ9,12),リノレン酸(18:3,Δ9,12,15),アラキドン酸(20:4,Δ5,8,11,14).動物の場合,二重結合がカルボキシル基からみて中央より遠くにある不飽和脂肪酸(リノール酸やリノレン酸など)は体内で合成できないので,食物として摂取する必要があり,必須脂肪酸とよばれる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 抜け毛・薄毛対策サイト「ふさふさネット」毛髪用語集について 情報
出典 あなたの健康をサポート QUPiO(クピオ)生活習慣病用語辞典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新