キノカワガ(読み)きのかわが

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キノカワガ」の意味・わかりやすい解説

キノカワガ
きのかわが / 木皮蛾
[学] Blenina senex

昆虫綱鱗翅(りんし)目ヤガ科に属するガ。キノカワガ亜科の総称でもある。はねの開張40ミリメートル内外、前翅灰緑色の地衣状の鱗粉で厚く覆われ、はねを畳んで樹皮上に静止するとき、みごとな保護色を呈する。このような姿で冬も成虫で過ごす。幼虫カキの葉を食べ、葉裏などに黄色の繭をつくって蛹化(ようか)する。日本では北部を除いて普通にみられる。元来、キノカワガやその近縁種は熱帯地方に多く、温帯では少ない。幼虫は特定の樹木につくことが多く、一部の種では繭の中の蛹(さなぎ)と、繭の内面との摩擦によって発音する機構を備えている。

[杉 繁郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「キノカワガ」の解説

キノカワガ
学名:Blenina senex

種名 / キノカワガ
目名科名 / チョウ目|ヤガ科
解説 / 立木の幹などに、とまって越冬します。
体の大きさ / (前ばねの長さ)18~21mm
分布 / 本州~南西諸島
成虫出現期 / 6~10月
幼虫の食べ物 / カキ

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