キンヒドロン電極(読み)キンヒドロンでんきょく(英語表記)quinhydrone electrode

改訂新版 世界大百科事典 「キンヒドロン電極」の意味・わかりやすい解説

キンヒドロン電極 (キンヒドロンでんきょく)
quinhydrone electrode

キノン(Qと省略)とその還元体であるヒドロキノン(H2Qと省略)との当量混合物であるキンヒドロンの飽和水溶液中に白金(または金)電極を挿入した酸化還元電極電極反応

 1/2Q+H⁺+e⁻⇄1/2H2Q

で,その平衡電極電位Eは溶液のpH関数になる。

 EE°-(2.3RT/F)・pH

ここで,E°は標準電極電位Rは気体定数,Fはファラデー定数,Tは絶対温度である。この性質を利用して溶液のpHを測ることができる。しかし,塩基性溶液中ではH2Qの解離平衡を考える必要があり,また空気中の酸素によるH2Qの酸化がおこりやすくなるので,この電極によるpH測定はpH<8の場合に限られる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

栄養・生化学辞典 「キンヒドロン電極」の解説

キンヒドロン電極

 p-ベンゾキノンとヒドロキノンの等モル混合物をキンヒドロンといい,その飽和溶液に不活性電極を浸した電極.

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