標準電極電位（読み）ひょうじゅんでんきょくでんい（その他表記）standard electrode potential

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標準電極電位【ひょうじゅんでんきょくでんい】

金属を，その金属イオンを含む溶液に浸したとき，その電極電位Eは　　　E＝E(/0)−（RT/nF）log(/e)aで与えられる（nはイオンの電荷数，Rは気体定数，Tは絶対温度，Fはファラデー定数，aはイオンの活動度）。この式におけるE(/0)（a＝１のときの電極電位の値）を標準電極電位といい，その金属によって決まる標準状態での電極電位であり，イオン化傾向を示す尺度となる。
→関連項目電気化学列｜標準電極

出典　株式会社平凡社

日本大百科全書(ニッポニカ)

標準電極電位
ひょうじゅんでんきょくでんい
standard electrode potential

標準単極電位ともいう。一対の酸化還元反応系を形成する電池において、それぞれの一方を半電池とよび、半電池の電極を単極single electrodeという。半電池反応に関与する物質の活量がすべて1で、25℃、1気圧においてその単極が標準水素電極に対して示す電極電位が標準電極電位である。標準水素電極は、1気圧の水素ガスと平衡にある活量1の水素イオン水溶液に浸された白金板で、その標準電極電位が他の電極電位を測定する基準（原点）に設定され、0ボルトの値が便宜上与えられている。

　半電池反応の向きを酸化→還元にとった還元電位で2種の半電池の標準電極電位を比較すると、その半電池の組合せで形成される電池の高（低）電位極は標準電極電位がより正（負）の電極となる。

［岩本振武］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

改訂新版　世界大百科事典

標準電極電位 (ひょうじゅんでんきょくでんい)

→平衡電極電位

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

化学辞典 第2版

標準電極電位
ヒョウジュンデンキョクデンイ
standard electrode potential

電極反応に関与する物質がすべて標準状態にあるときの平衡電極電位．温度，圧力が一定ならば，その電極系に固有な量となる．

出典　森北出版「化学辞典（第2版）」

世界大百科事典（旧版）内の標準電極電位の言及

【平衡電極電位】より

…また，E゜は，a_Ox＝1,a_Red＝1のときの平衡電極電位で，温度と圧力とを決めれば問題の電極反応に固有な量である。このE゜を，その温度および圧力における標準電極電位standard electrode potentialという。このように平衡電極電位は，電極反応の種類によって決まる熱力学的な量で，電極相の物質が電極反応に直接関与しないかぎり，電極の種類には無関係である。…

※「標準電極電位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」