ギヨームルブルトン(その他表記)Guillaume le Breton

改訂新版 世界大百科事典 「ギヨームルブルトン」の意味・わかりやすい解説

ギヨーム・ル・ブルトン
Guillaume le Breton
生没年:1159?-1227

フランスの年代記作者。12歳で故郷ブルターニュを離れ,初めはマント,次いでパリに学んだ。1195-1200年ころ尊厳王フィリップ2世側近になり,王の礼拝堂付き司祭に任じられた。王の離婚と再婚に際しローマに交渉に送られたり,王の庶子ピエール・シャルロの教育も託されている。ラテン詩《フィリッピデPhilippide》10巻のほか,リゴールRigordの未完の《尊厳王フィリップの事績Gesta Philippi Augusti》を基に1220年までの王の事績をラテン語の散文で叙述した。歴史的記録としてのみでなく古典教養に支えられた文学作品としても高く評価される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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