クソムシ(読み)くそむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クソムシ」の意味・わかりやすい解説

クソムシ
くそむし / 糞虫

昆虫綱甲虫目に属する昆虫で動物の糞(ふん)に集まるもの、とくにコガネムシ科の食糞類に属する一群にコブスジコガネ科とセンチコガネ科を加えたものをいう。フンチュウともよばれる。コガネムシ科にはダイコクコガネ亜科のナンバンダイコク属、ダイコクコガネ属、オオタマオシコガネ属(スカラベ)など大形の種類をはじめ、エンマコガネ属、マグソコガネ亜科にも多数の種を含み、地上の汚物の清掃者として重要な役目を果たしてきた。現在でも北アメリカ、オーストラリアの牧場では糞処理のために適当な種類の導入を行っている。これらの種は糞球をつくって運び地中の穴に収容し、球形ないし洋ナシ形の糞球や糞塊に産卵する習性がある。

 コガネムシ類以外ではハバビロガムシやマグソガムシなどガムシ類、エンマムシ類、シデムシ類、サビハネカクシやコガシラハネカクシなどのハネカクシ類が糞に集まることが知られているが、これらはかならずしも糞を食べるのではなく、糞に発生するウジやほかの昆虫を捕食するものもある。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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