改訂新版 世界大百科事典 「クノニア」の意味・わかりやすい解説
クノニア
red alder
Cunonia capensis L.
南アフリカ産の常緑小高木。クノニア科に属し,観賞用に栽植されることがある。時には高さ15mに達することもある無毛の樹木。葉は対生し,5~7小葉から成る奇数羽状複葉で,新芽を保護する早落性の大きな托葉を有している。小さな花は腋生(えきせい)する長さ20cmほどの円柱状の総状花序につき,花弁は5枚,おしべは10本。材は軽く,耐水性があり,みがくと光沢を生じるので,家具材などに使われる。
クノニア属Cunoniaは南半球のニューカレドニアに十数種あり,クノニア1種が南アフリカに分布するという隔離分布をしている。クノニア科Cunoniaceaeは,南半球の温暖な地域を中心に21属約120種の木本植物から成る小さな科で,ユキノシタ科に近縁と考えられる。
執筆者:堀田 満
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報