クリムシ(読み)くりむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリムシ」の意味・わかりやすい解説

クリムシ
くりむし / 栗虫

昆虫綱甲虫目ゾウムシ科のクリシギゾウムシ幼虫。体長10ミリメートルぐらい、頭は黄褐色であるが、体は乳白色で太っている。クリの実の内部を食べ、1~2か月で老熟し、果皮に丸い孔(あな)をあけて脱出し、地上に落ち土中で越冬、蛹(さなぎ)になる。クリの実にはほかに鱗翅(りんし)類のクリミガの幼虫が食い入るが、この幼虫は糞(ふん)を実の外に出し、体は円筒形。また白い長毛に覆われたクスサンの幼虫はクリにもつき、クリムシとよばれることがある。

[中根猛彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「クリムシ」の意味・わかりやすい解説

クリムシ(栗虫)【クリムシ】

クリの果実に加害する昆虫の幼虫の俗称。クリのいがの上から果実に食い入るクリオオシンクイガの幼虫と,成虫が果実内に産卵し,孵化(ふか)した幼虫が果実内を食害するクリシギゾウムシの幼虫が主要なものである。一般に後者をクリムシと称することも多い。

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